医療法人生寿会 覚王山内科・在宅クリニック

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緩和ケア

覚王山内科クリニック亀井 克典

医療法人生寿会 会長
かわな病院在宅ケアセンター センター長
在宅ホスピスかわな統括リーダー
日本内科学会 総合内科専門医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
日本プライマリ・ケア連合学会 認定医・指導医
日本緩和医療学会 認定医
人間ドック健診情報管理指導士
日本医師会 認定産業医
他所属学会:日本在宅医療連合学会

高齢化が進む昨今の日本で、緩和ケアの充実化は大きな課題となっています。その需要に応えるべく、こころとからだのつらさを少しでも和らげるための技術やケア体制について、あらゆる場所で日々研究が重ねられています。また、がん治療の後期に緩和ケアを始めるのではなく、がんと診断されたタイミングから、治療と並行してケアをスタートさせる考え方も広まり始めています。これからの緩和ケアにおいて大切なことやよくある疑問、その治療内容について、長年にわたって在宅緩和ケアに取り組む当院の亀井院長が詳しくお話しします。

緩和ケアとはなんですか?

緩和ケアとは、主にがんの進行中や末期に起きる、さまざまな症状を和らげるための治療やケアのことを指します。がんには身体的な痛みに加えて、不安などの心理的な痛み、経済面での心配による社会的な痛み、スピリチュアルペインと呼ばれる人間の尊厳に関わる痛みという、4つの痛みがあると言われています。緩和ケアではその4つの痛みを軽減するために、医師だけでなく看護師や相談員などの専門家が関わり、あらゆる方法で患者さんとそのご家族に向き合います。また、緩和ケアが必要とされる病気にはがんが代表的ですが、がんに限らず、さまざまな病気に伴う痛みやつらさを和らげることを目的に取り入れられる治療です。

覚王山内科・在宅クリニック院長 亀井 克典
がんが進行するとどのような症状が起きますか?

がんにより緩和ケアを必要とする患者さんに最も多い痛みは、がん自体が引き起こす痛みや治療によって生じる痛みなどの身体的なものです。これを「がん性疼痛」といいます。がんの進行により、痛みが出てきて眠れない、ご飯が食べられないという問題が起こり、今までできていた普通の生活が難しくなります。そのほか、体がだるい、不安で夜眠れない、吐き気がある、便秘になるなど、さまざまな症状が出てきます。緩和ケアでは患者さんの生活の質(QOL:Quality of Life)を保つために、症状に対してできる限りすばやく適切な対応を行っていきます。

症状を和らげるためにどのような治療・ケアが受けられますか?

現在は、以前に比べて痛みを抑えるための薬にも幅広い種類があります。投与方法の基本は飲み薬(内服薬)ですが、薬を飲むのが辛い場合には、貼り薬や注射薬を使うこともできます。患者さんの様子をうかがい、ご本人に適した薬の種類と投与方法を実践して、痛みが取れるように努力していきます。また、心理的な問題については、医師やスタッフが患者さんとそのご家族に寄り添って、不安や悩みをお聞きすることを大切にします。必要があれば不安を和らげるためのお薬なども取り入れて、チームで患者さんに向き合います。

スマートフォンからアプリを使って痛みのコントロールができます。使用状況も記録され、お体の状態に合わせて微調整も可能です。
緩和ケアはいつから、どこで受けられますか?

緩和ケアはがんと診断されたり、そのほかの病気に関する痛みやつらさがあればいつでも受けることができます。また、よくある誤解ですが、緩和ケアはがんが進行して、できる治療がなくなってから始まると思われることも多いです。昨今の緩和ケアは、がんと診断されたときから治療と並行してシームレスに行っていくという認識が一般的になりつつあります。治療中に起こるこころとからだの痛みやつらさを和らげることは、患者さんの生活の質を保つことにつながります。がん治療が始まったばかりの患者さんは、緩和ケアの必要性を感じないことも多いですが、早い段階から気を配っていくことは大切です。

緩和ケアは、外来、入院、在宅などさまざまな方法で受けることができます。大きい病院には必ずがんの相談窓口がありますので、そちらにご相談いただくか、当院へはお電話やホームページからお問い合わせ・ご相談ください。

覚王山内科・在宅クリニックの緩和ケアの特徴を教えてください。

当院は医療法人生寿会に所属しており、グループ内連携を活用して「緩和ケア外来」「在宅診療」「入院」「高齢者向け住宅“アンジュかわな”での緩和ケア」という4つのシーンでの緩和ケアを提供しています。外来に通うことが難しくなった方は在宅診療、独居やご夫婦お二人暮らしでお家でのケアが難しい場合は入院や施設ケアなど、グループ内でさまざまなシーンに対応できる仕組みがあることで、患者さんには状況の変化に応じて切れ目のない緩和ケアを受けていただけます。また、サービス付き高齢者向け住宅“アンジュかわな”はかわな病院併設のため、ご自身のお家として生活しながら、安心して緩和ケアを受けられることも特徴です。また当院ではがんに限らず、神経の病気や、高齢者の老衰など非がんの患者さんに対する緩和ケアも行っています。

緩和ケアのスペシャリスト「緩和ケア認定看護師」とは?

当院では、患者さんによりよい緩和ケアをご提供するため、緩和ケア認定看護師が治療をサポートしています。緩和ケア認定看護師とは、緩和ケアについての専門的な知識を持ち、患者さんがその人らしく、穏やかに過ごせるようにサポートするためのスペシャリストとしての資格を持つ看護師のことです。

現場では、緩和ケア外来で医師と一緒にお話を伺ったり、患者さんとご家族の悩みをお聞きして、何が問題なのかを探したりして、不安を解消するために介入していきます。「些細なことだから」となかなか話せないお悩みも多いかと思いますが、それが意外と患者さんにとって大事だった、というのはよくあること。看護師や医師、周りのスタッフと相談して悩みを解決していきますので、どんなことでもお話ししてくださいね。

緩和ケア認定看護師 川瀬看護師

緩和ケアを必要とする患者さんとそのご家族の方々は、多くの様々な不安や悩みをお持ちのことと思います。また、外来では主治医と話せる時間が短く、「治療内容や今後のことについてじっくり聞きにくい」「質問していいのかなと迷っているうちに診察が終わってしまう」と感じる方も多くいらっしゃいます。そういった方には、がん診療や緩和ケアに関する無料相談事業「tomoniなごや」という電話・オンライン相談窓口があります。
様々な専門職の方々が協力して社会貢献事業として運営されていますので、そちらにもご相談ください。
「tomoniなごや」ホームページはこちらから

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